私たちの「常識」を超える地底の生命体

地中生物の話に戻ると、いままで生物がいないと思われていた地下深部に、じつはたくさんの生物がいることがわかってきました。生物はエネルギーがなければ生きていけないので、普通は太陽の光や温泉水のようにつねにエネルギーが供給されるところに生息しているはずと考えられてきました。

ところが、じつはほとんどエネルギーがないようなところにも、生物が生息していることがわかったのです。

廣瀬敬『地球を掘りすすむと何があるか』(KAWADE夢新書)

彼らはエネルギーを摂取することがほとんどできないので、基本的にはほとんど動かない。ほとんど代謝もしないし、細胞分裂もしない。いままでの常識では考えられないような生物です。

それでも、いままでのところ、地中深部で発見された新生物はすべて地球型生物です。しかし、地下深部にはまだまだ発見されていない生物がたくさんいるはずです。たしかに地球型生物は環境適応の力が高い、少しぐらい圧力が高くても温度が高くてもエネルギーがなくても我慢できるということがわかりつつある。

とはいっても、まだまだ地球型生物が適応できない環境はありそうだということは容易に想像できます。

そうであるなら、そのような環境に、未知の生命体、もしかすると地球型生命とはまったく異なる仕組みで、生命活動を維持する生命体がいるかもしれないのです。

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