皇居の東側は地盤が弱い
関東では、ざっくり言うと皇居の西側のほうが地盤が強く、東側のほうが弱い傾向にあり、これは栃木県あたりまで続いています。
これはなぜかというと、皇居の東側は、はるか遠い昔に海だったからです。
ただ、西側の土地なら安心かというと、必ずしもそうではありません。
例えば筆者が創業したさくら事務所は「渋谷区桜丘町」にあるのですが、その周辺の地形分類は「山地」「台地・段丘」で、地盤が非常に盤石で、標高も高く、浸水や液状化の可能性が低い土地です。
しかし、そこからほんの少し歩いた土地には「氾濫平野」が広がっていたりします。
同様に、周辺の「南平台」「鉢山町」「代官山」といった土地は、高級住宅地として有名で、標高が30メートル程度ある高台です。そのため、全体的には災害リスクの低い土地だと思われがちです。
しかし、そうした土地の中にも、部分的には、「大雨で雨水が集まりやすく、浸水のおそれ。地盤は軟弱な場合がある」とされる「凹地・浅い谷」が存在することがあります。
このように、地名を見る限り安全そうなのに、実際には災害リスクが高い土地もあるため、地名だけで判断できるわけではありません。
「豊洲のタワマン」実は水害に強い
「浸水」や「洪水」リスクの高い土地というと、江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)、特に豊洲のタワーマンションなどの海沿いの低地をイメージされる方もあると思います。
実際、ハザードマップによれば、巨大台風などによって荒川と江戸川が氾濫した場合、江東5区は大半が浸水被害を受けると想定されています。
ただ、その場合でも、新木場や豊洲エリアは比較的水害リスクの低い土地に分類されています。
豊洲などの湾岸地域は海沿いにあるため、もし水があふれても、外へ出ていきやすい地形になっています。むしろ内陸側のほうが、水が溜まってしまい、2週間も引かないと予想されるほど、浸水被害が深刻化しやすい地域なのです。
また、荒川の堤防は東側の江戸川区方面がより低くなっているため、荒川が氾濫した際の水が江戸川区側に流れ、豊洲など湾岸エリアまで来ないとも言われています。