複数の米大手メディアはフロリダ州の連邦地裁に、今回の家宅捜索の根拠となった宣誓供述書の公開を求めた。これに対して司法省は同じく15日、「国家安全保障に関わる進行中の捜査」を妨げるとして、反対の意向を示した。
公開すれば「政府が証言を求めた人物など、証人に関する極めて機密度の高い情報、特定の捜査手法、司法当局が非開示を求めている情報」が公になると、司法省は主張した(連邦地裁は8月18日、宣誓供述書の少なくとも一部開示を認める方針を示唆)。
「重要なのは文書の機密レベルではない」
言い換えれば、トランプが保管していると情報機関が判断した文書やマールアラーゴの監視体制の情報が明らかになりかねないということだ。
「重要なのは文書の機密レベルではないという事実が理解しづらいのは分かる」と、前出の情報当局高官の1人は言う。「焦点になっているのは、トランプが法律に違反した可能性だ。それは大統領記録法の対象である書類にも言える。彼がどんな文書を私的に保管していたのかは知らないが、司法省はトランプが文書保管を秘密にし続けるつもりだったことを懸念した」
「法的側面ではなく、機密度が注目されすぎている」と、もう1人の高官は指摘する。家宅捜索は、トランプの意図について当局が把握(または判断)したことに基づいていた。だが、これは最も賢明な行動だったのか――捜索は法的に有効だと確信するこの高官は、その点を疑問視する。
「一般市民が理解できるよう、核や情報活動、機密指定という用語の含意を説明しなければならない。だが実は極度に複雑な問題で専門性が高いため、解説するのは厄介だ」