期待+コミュニケーション

これに関してはさまざまな解釈がなされ、この効果を検証する実験が数多くおこなわれました。

その結果から共通して言えるのが、教師が期待を持つことで生徒ではなく教師の行動が変わるということです。

期待をかけている生徒に対してアウトプットの機会を多く与えたり、褒めたり、励ましたりという行動が、そうでない生徒に比べて多く観測されました。すると、生徒も期待に応えようとモチベーションが上がり、成績アップにつながったのです。

教師は意図して差別しようとしていたわけでは決してありませんが、期待を持つことにより自然と行動が変わっていました。期待を込めて相手に接することで、より多くの機会を与えたり、自然と適切なフィードバックを与えたりして、その結果として生徒の成績が向上したのです。

相手に対して単純に期待するだけでは意味がありません。相手が今なにをしているのかわからずに「期待しているよ」と声をかけても意味がないのです。

期待による成果を出すためには、学習するプロセスに関わり、適切な機会を提供することが重要です。どのようなポイントで詰まっているのか、どういったことを苦手としているのかを把握し、そのうえで期待を持ってコミュニケーションを取ることが大切なのです。

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(2)ご褒美をあげる

子どもには、大人以上にご褒美が効きます。

「ご褒美で釣って勉強させるなんて」と、悪いイメージを持つ人が多いかもしれませんが、なにかを習慣づけるときには、恐れずにご褒美を活用したほうがよい結果をもたらします。

上手に活用すれば、はじめはご褒美目当てにやっていたことも、やっているうちに習慣化します。このあと詳しく説明しますが、はじめはご褒美のような外から与えられたモチベーションであっても、次第に「もっと知りたい」という内面からのモチベーションへと変化するケースもとても多いのです。

とはいえ、注意すべきポイントがあります。結果に対して報酬を与えてもあまり効果はなく、結果を出すためのプロセスに対して報酬を与えると効果が大きいことがわかっています。

学習について言えば、毎日決められた時間に学習したことや本を読んだことなど、結果を出すためのプロセスに対して報酬を与えましょう。