米CBSはその他3件はすべてマンハッタンで発生し、12人が負傷したと報じている。NY市消防局は、火災現場に散乱する黒焦げのeバイクの画像を公開した。

ニューヨークに限らず、事件は広い地域で発生している。米NBCニュース系列のコロラド局「9ニュース」は、中部・コロラドスプリングスでのeバイクを原因とするマンション火災を報じている。同局は「eバイクの人気の高まりとともに、発火の報告が増えている」と指摘し、同様の事例は「全米で」発生していると警鐘を鳴らす。

NBC系列のミシガン局「ローカル4」によると、五大湖に浮かぶマキノー島でもeバイクのバッテリーが爆発。駆けつけた消防隊員が負傷で入院する騒ぎに発展した。島の警察署長は、「島民と観光客はいかなる状況でもeバイクとバッテリーを屋内に保管しないよう、あらゆる手段を講じるべきだ」と述べ、強い警告を発した。

8月までに120件の火災が発生

eバイクからの出火報告は、ここ数年で非常に目立つようになった。米消費者組合が発行するコンシューマー・リポート誌は、ニューヨークだけで昨年75件の火災がeバイクや電動スクーターなどによって発生し、3人が死亡、72人が負傷したと報じている。

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今年はさらに状況が悪化している。CBSニューヨークはNY市消防局のデータをもとに、8月までに120件の火災を誘発しており、すでに昨年のほぼ倍の水準になっていると報じている。

eバイク自体の危険性が高まったわけではなく、パンデミックにより所有者・利用者が増加したことで全体の件数が増えたようだ。eバイクにもともと潜んでいた危険性が、数の増加で表面化してきた形となった。

ニューヨーク・タイムズ紙は昨年、パンデミック以来自転車レンタルの需要が伸び、供給が追いつかないほどになったと報じている。ライドシェアのLyftが自転車シェアの展開に協力し、昨年は11月中旬までに2500万回のレンタル回数を記録したという。

同紙はまた、市場調査会社のNPDのデータをもとに、バイクシェアだけでなく販売も好調だと報じている。パンデミックにより自転車ブームが到来し、2020年のeバイク販売額は、前年比145%増を記録したという。活用されればそれだけ充電の機会も増加し、そのうち一定の割合で発煙・発火事故が起きているようだ。