最終的に自宅はどうする? 不動産の「出口戦略」
総務省統計局の「住宅・土地統計調査」(平成30年)によると、65歳以上の高齢者のいる世帯の持ち家の比率は82.1%にのぼります。高齢者夫婦のみの世帯では87.4%、高齢単身世帯でも66.2%となっていて、老後も持ち家に住む人が多くいます。
しかし多くの場合、すでに数十年住んできた自宅です。建物自体が老朽化したり、老後の生活に合わなくなったりしているケースもあるでしょう。
自宅の活用方法には、次のようなものがあります。
・リフォームして住み続ける
水回りを直したり、間取りを変更したり、外壁を塗装したり、バリアフリー化したりと、自宅を部分的にリフォームすれば、老後も住み続けることができます。長年住んできた愛着のある建物を壊す必要もありませんし、仮住まいや引っ越しなども必要ないケースがほとんどです。ご近所付き合いも、変わりません。
ただ、当然リフォームにはお金がかかります。ちょっとしたリフォームであれば数十万円程度で収まるかもしれませんが、構造を補強するフルリフォームの場合は、建て替えるよりも高額になることも。また、自宅の構造によっては、間取りの変更などが思うようにできない場合もあります。
・他の家に住み替える
自宅を売却できれば、一度にまとまったお金が入る可能性があります。その場合は、自己資金を用意しなくても新しい家に住むことができます。金額次第ではありますが、マンションや建売住宅に住んだり、賃貸物件を借りたりと、選択肢はさまざま。
とはいえ、これまで長年親しんできた家を手放すつらさはあるでしょう。引っ越しをすれば生活環境も変わりますし、ご近所付き合いも変わってしまいます。また、自宅を売っても、まとまった金額が得られるとは限りません。ローンの残債があれば、手元に残るお金がない場合もあります。