「教団にもお布施を受け取るときの配慮は必要」
——名称の変更といえば、教団の名称が2015年に「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」へと変更になったことに当時、文科大臣だった下村博文氏の「指示」があったという報道があります。国際勝共連合や世界平和連合の議員との関係が、名称変更に影響を与えたことはありませんか?
【梶栗】先ほど申しげたように、国際勝共連合や世界平和連合は現実社会の課題を解決するための政治活動・平和活動をしている団体ですので、教団と一線を画しています。また、教団側が名称変更にあたって、政治に対して何かのアプローチをすることはなかったと聞いています。
また、これは一信徒として感じていることですが、そもそも「世界平和統一家庭連合」への名称変更は90年代から世界各国で進めていたことです。日本のマスコミはこれを「正体隠しだ」とか「統一教会だとわからなくさせるためだ」と報じていますが、世界で当たり前のように進めていたことに日本も足並みをそろえただけの話です。
しかも、宗教団体の名称は認証制度なので、書類さえ整えれば通常は認められるものです。それがかねて取り組んでいたのに、2015年まで認められなかったということの方が、一信徒としては不思議な気がします。
——では、政治団体の会長ではなく、信徒としてお伺いします。今回、山上容疑者が教団へ強い恨みを抱くきっかけに、高額献金という問題があったことを率直にどう思いますか?
【梶栗】どの宗教団体にも献金行為はあると思います。そして、中にはかなり高額の献金をされる信徒の方もいる。私個人としましては、自分の可処分所得の中で、教団にお布施として献金をするのは尊いことだと思っています。ので、高額献金をされる方には率直に、敬意を表します。
もちろん、それが家族に説明がつかないとか、経済状況に比して過度なものなのであれば、教団にもお布施を受け取るときの配慮というものは必要だと思います。
ただ、今問題になっている山上家の状況というのは20年も前のことだという事実もあります。世界平和統一家庭連合は09年にコンプライアンス宣言をして、当時の会長も辞職をしており、これ以降は献金に関するトラブルをなくしていこうと尽力されていると思います。今回の問題はそれ以前の話ですので本当に痛ましい。引き続き、教団としても社会に説明ができるように、努力をしていってくれるものと信じています。