「3団体は教団と違い、布教活動はしない」
——何をもってして「教団と関係がない」とおっしゃるのでしょうか?
【梶栗】UPFについてマスコミは「旧統一教会系団体」「フロント組織」などと報じていますが、事実ではありません。UPFは教団と創設の目的をたがえた、独立した国連NGOです。あくまで創設者が文鮮明師というだけであって、UPFの平和活動は、教団の布教活動とは一線を引いたものとなっています。
そのUPFの活動に対して、安倍元首相は評価、賛意を示してくださった。それに対して旧統一教会への恨みを混同するというのは、私たちにとっては受け入れ難い部分があります。
教団は信徒を増やしていくために布教活動をしますが、UPFや国際勝共連合、世界平和連合などは、現実社会の問題を解決するために設立された団体であって、目的や活動もまったく異なっています。
——ただ、文藝春秋digitalの<勝共連合会長が安倍元首相とのビデオ出演交渉の裏話を激白>では、教団の日曜説教で梶栗会長がお話をしている映像の中で、ある政治家がUPFを「宗教団体のフロント組織」と呼んだことを、教団幹部が「実際その通りだしな」と言った、というエピソードを明かしたと報じています。これが本音なのではないですか?
【梶栗】これはかなり誤解を生む“切り取り”ですので、どういう文脈で出てきた発言なのかということを説明させてください。
そもそも、安倍元首相がビデオメッセージを送ってくれたUPFのイベントというのは、朝鮮戦争勃発から70年のタイミングで立ち上がった「シンクタンク2022」という朝鮮半島の平和的統一を目指す専門家のプロジェクトです。
この活動に関しては、世界で多くのVIPが賛意を示してくれておりフン・セン・カンボジア首相、マイク・ペンス元米国副大統領、潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長なども基調講演を行ってくれています。しかし、残念ながら、日本のVIPはなかなか参加していただくことができていなかった。そしてある方からは、このイベントに出るということは、教団のプロパガンダになるだろうと言われて断られてしまった。
これはつまり、日本においてはわれわれUPFの運動の成果、実績がまだ社会に十分に認知されていないということです。そこで、私は自戒の念を込めて、「いまだに教団のフロント組織のように勘違いされてしまっている情けない現状がある」という意味で、先ほどのようなエピソードをお話したのです。
なぜそのような話を日曜説教の場でしたのかというと、新しく信徒になられた方の中には、文鮮明総裁が、なぜUPFや国際勝共連合、世界平和連合などの団体を創設したのかという経緯を十分に知られていないということがあったからです。