国会議員に対するロビー活動を続ける理由

——ご自分たちの活動に理解を示す政治家の後押しをするということですが、それで言えば、アエラドットは<旧統一教会系「勝共連合」が誇る“20代女性軍団”の正体 議員事務所を回って「お手伝いします」と潜入>(7月27日)と報じています。このような政治工作活動を今もしているのでしょうか?

【梶栗】まず、私自身が「美女軍団」というものを見たことがありません。こういう状況になると、マスコミの方たちから本当にいろんなことを書かれるものだと驚いています。

われわれの活動に関連するご質問が出たので、ちょっと現在の取り組みをお話させてください。先ほどから話をしている国際勝共連合は現在、日本だけで活動を展開しています。かつては韓国にあり、アメリカや南米など世界各地にも勝共運動を行う独自の組織がありましたが、冷戦が集結したことで解散しました。しかし、日本ではいまだに内外の共産主義勢力の影響力の強さから、これを克服するための思想啓蒙運動を展開しています。

一方、世界では冷戦後の新しい平和秩序をどう築いていくのかということが大きなテーマとなっていることで、90年代に世界各国で、「世界平和連合」という組織を立ち上げました。日本国内では主に、防衛力、家族力、貢献力のある国を目指していくべきだという政策提言をしています。このような考え方にご理解いただける国会議員の方たちを探しており、その過程で議員会館にお話を聞いてまわっているということはあると思います。

——しかし、そのように政治家を応援するという活動によって、政策などにも影響を及ぼす可能性もあるのではないでしょうか。例えば当初、「こども庁」だったものが「こども家庭庁」になったのは、こちらの教団の政治力だということが一部のジャーナリストから指摘されていますが、これについてはどう思いますか?

【梶栗】なんと言いましょうか……。私たちのことをかなり過大評価していただいているようで複雑な気持ちです。

確かに、私たちも「家庭」から子どもを切り離した「こども庁」よりも「こども家庭庁」の方が望ましいということは言っていました。それはやはり子どもが抱えている問題というのは、基本的には家庭を強化することによって解決していくということが望ましいと考えているからです。もちろん、家庭でできないところを第三者がサポートする取り組みは必要ですが、まずは温かい家庭を築くことをサポートしていくべきだという考えです。

国会議事堂周辺
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです

しかし、それはなにも私たちだけが言っていたことではなく、多くの保守政治家や保守団体の方たちみなさんも同じ主張をされていました。言ってみれば、「one of them」に過ぎないのに、あたかも私たちだけが主張していたようになって、しかも私たちの力だけで、名称が変更されたかのような話になっているのは不思議でなりません。