教会はすでに、母国の韓国でもコングロマリットを形成している。英フィナンシャル・タイムズ紙は、スキー、海洋リゾート、ゴルフ、建設、防衛、化学、自動車部品、新聞などの企業を傘下に置いていると報じている。

新たに進出したアメリカでは、首都圏の保守派新聞であるワシントン・タイムズ紙、ニューヨークの「ニューヨーカー」ホテル、水産卸のトゥルー・ワールド・フーズなどの企業、および多数の不動産を有している。

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フィナンシャル・タイムズ紙は、「教会の指導者らが、日本からアメリカへ送金された数十億ドルを含む信者の労働力と資産を、企業帝国を築き上げるために搾取している」との批判があると指摘している。さらに、専門家たちは日本こそが、「教会が世界で保有する富の主な収入源」であると分析しているという。

「宗教をベースにしたビジネスだ」

こうしたアメリカで花開いた教会のビジネスの陰には、日本人信者たちの生活の破滅があった。米インサイダー誌は7月26日、旧統一教会に「カルトのような振る舞い」をしているとの批判が寄せられており、「洗脳された」信者たちからカネを巻き上げているとの批判があると報じている。

フィナンシャル・タイムズ紙も同じく、旧統一教会は信者を精神的に支配する「カルト」だと断言している。教会には長年、強制的に献金を行わせているとの疑惑が渦巻く。

同紙は悪名高い同教会の霊感商法も取り上げており、「日本の信者たちは数十年にわたり、韓国の教会関連企業が製造する高価な高麗人参の茶や、石でできたミニチュアの塔など、『スピリチュアルな商品』の販売行為に巻き込まれてきた」と紹介している。

拝金主義の教会運営は、母国でも問題となっているようだ。韓国・釜山長神大学校のタク・ジイル教授は同紙に対し、「(教団は)表面上は宗教的な教義を追求しているが、実際のところはカネを追求しているのだ」と述べ、「宗教をベースにしたビジネスだ」と厳しく指摘している。

寿司ブームに便乗して鮮魚ビジネスを急拡大

旧統一教会はこのようにして日本の信者たちから莫大な金額を巻き上げ、海を越えたアメリカで大々的なビジネス展開に着手する。彼らが目をつけたのは、アメリカで芽吹きつつあった寿司ブームだ。教団が日本を利用した、2つ目のポイントだといえよう。