現場の自主性を尊重する仕組みの一つが、「20%ルール」だ。週1日、もしくは月に4~5日、就業時間の20%を本業以外の個人的に好きなテーマに割いてもいいというルールだ。

例えばエンジニアがこんなものがあればおもしろいのに、と思うプログラムを書いて世界中に発信する。様々な意見が寄せられ、皆がおもしろいという話になれば、最終的に製品化される場合もある。

新聞サイトの記事をカテゴライズして表示する「グーグルニュース」も20%ルールから生まれた。じつはほとんどの製品はこうした仕事を離れた個人のアイデアから生まれ、同社のイノベーションの源泉になっている。

「グーグルは、フロントラインの自主性を重んじる仕組みが強い。同時に現場で働く人々が仕事をしやすい環境を整えている。自律的に仕事ができる人材が多い企業では、高度の自律性と働きやすい環境の組み合わせが効果を発揮する」(守島基博教授)

現場を頂点としてその下に、それを支えるマネジャーや経営幹部がいる“逆ピラミッド型”組織モデルを実践している。

※すべて雑誌掲載当時

(的野弘路、増田安寿=撮影)