選挙を手伝って気付いた「結構ヤバい…」
天野さんのそんな思いに共感した大学生たちも、このキャンペーンに参加している。
お茶の水女子大学2年の山島凜佳さん(19)は、今年の春休みに、地元の金沢市で行われた市長選で女性候補者を応援したことがきっかけで、このプロジェクトに参加した。「政治家はよく『国民』という言葉を使うが、果たして今の国会に、女性であり若者である自分たちの声が反映されているのかと疑問に思った」という。
「政治の場には男性しかいないし、選挙に出る人も応援する人も本当に限られた層の人。昼間に時間がある人とか、お金があって余裕がある人しかいないと思ったので、選挙を手伝ってみて『結構ヤバいな』ということに気づいた。参議院選があるので、何かしたいと思った」という。
「女性が増えないのは能力の問題」
山島さんたちは、選挙のしくみや、女性がなぜ政治の世界に入りづらいかなどをわかりやすく解説する動画を作り、SNSで発信している。
「女性の政治家が増えないのは、女性の能力の問題だ」といった批判的なコメントや、「生理がくるような女に政治を任せられない」といった、びっくりするような差別的なコメントも多いという。それでも、「『確かに女性ってこんな理不尽な状況にある』とか、『みんな知らないかもしれないけど、実は女性はこんなに不利』といったコメントを書いてくれる人もいて、いいなと思います」という。
「セクハラだったり、票ハラだったり、お金の問題や家族の理解など、女性が議員になりにくい理由って本当にたくさんあると思います。(政治の世界の)ハラスメントへの認識の甘さや、身内への甘さをすごく感じています」と語るのは、津田塾大学4年の大島碧生さん(21)だ。大島さんも山島さんと同様、金沢市長選の選挙を手伝ったことがきっかけで、今回のプロジェクトを知った。