200万円の自動車1台にかかる固定費は年間54万円

「自動車関連費」は聖域化しやすい支出のひとつですが、1年間の総額を突き付けられることで、重い腰が上がるかもしれません。ここに切り込むことができれば、生み出せる財源は大きいので、思い込みを捨てて挑戦してみてください。

住んでいる地域によっては、マイカーがないと日常生活が送れないという人もいるでしょう。そのような場合も、車種を替えることで、車両費だけでなく自動車保険料、自動車税、ガソリン代などを減らせるかもしれません。また、1人1台の車を保有しているなら、利用シーンをすり合わせて、本当に1人1台が妥当なのかを話し合ってください。

都市部に住んでいて、必ずしもマイカーがないと暮らせないわけではないけれど、「小さな子どもがいるから」「定期的に病院通いするから」「買い物でまとめ買いするから」など、いろいろな理由からマイカーを保有している人も多いのではないでしょうか。

たとえば、200万円の車を購入し、10年間の保有を想定すると1年当たりの車両費は20万円。それに自動車税や自動車保険料、ガソリン代、駐車場代を入れると年間54万2000円になります。

カーシェアに切り替えると年間30万円以上お得

この「自動車関連費」の総額を念頭に置いたうえで、マイカー利用の頻度や使用目的などを洗い出してください。そして、マイカーのない生活を想像してみてください。買い物や通勤、子どもの送り迎えなど、マイカーがないとどのような移動手段があるのか、公共交通機関や電動自転車の利用など、あらゆる手立てを考えてみて、その上で、マイカーがないとどうしても困ることを抽出します。

たとえば、保育園に子どもを迎えに行き、帰宅途中で買い物をして帰るときが最も困るという場合、カーシェアリングの利用を検討してみてはどうでしょうか。毎月20回利用した場合、1カ月当たり1万7600円、年間で21万1200円となり、保有するときと比べて30万円以上お得です(図表4)。

筆者作成

もし、雨の日だけの利用でよいとなればさらにコストは抑えられます。利用シーンに応じて、遠出するときはレンタカー、駐車スペースの確保が難しいお出かけ先のときはタクシー利用など、組み合わせることによって、より利便性を高めることができます。

検討した結果、「やはり保有したい」となっても、検討すること自体はムダになりません。家族構成やライフスタイルの変化によって、「そろそろ保有じゃなくてもいいかも」と考えるときがくるかもしれないからです。まったく検討しないままだと、そんな考えに至ることもなく、ずっと保有を続けてしまう可能性があります。