どうしようもなくみんなシャイなのだ

覚えておきましょう。人間はとにかく、シャイ(内向き)な生き物です。どれだけ「私は人間が大好きだ、会った人とすぐ友達になれる」と思い込んでいる人でも、初対面の場は緊張が生まれますし、その人が友達だと思っていても、相手はそう思っていないこともしばしば。

ある先輩は「一度会ったら友達で、二度会ったら親友で、三度会ったらお葬式に呼べる」と言っていました。そのこと自体、素敵な考え方ともいえますが、「え? 私あの人とそんなに親しくないですよ」と自分のいないところで語られた時の恥ずかしさは悶絶ものです。「ほとんどの人間がシャイである」という前提に立てば、初対面でうまく話せなかったり、人間関係がなかなかうまくいかなくても落ち込まなくて済むようになります。それだけ人と人の関係構築には時間がかかります。その前提のもと、つながるための言葉によってゆっくり距離感を掴みながら関係をつくっていけばいいのです。焦ってはいけません。

相手の反応を期待しない

例えば、いつも行くお店の店員さんに「いつもありがとうございます」と言うだけで「あ、この人は自分のことを認識してくれているのだな」と相手に感じさせることができ、距離がぐっと近づきます(サービスしてくれるかもしれませんね)。

あるいは、定型的な挨拶に終始していた相手に「こんにちは、いつもおしゃれですね」とひとこと付け加えれば、「あ、この人は自分のことを見てくれているのだな」と気づいてもらえます。

こういった話をすると必ず「相手にあやしまれないか」「無視されたらどうしよう」などといった意見が出ます。はい、はっきり言います。人によっては怪しまれるし、無視されるでしょう。大切なのは「相手の反応を期待しないこと」です。だって、相手は自分ではないのですから。思い通りの反応なんてかえってくるわけがありません。

学生時代にコンビニでバイトしていました。季節は冬のこと。必ず夜に来店して肉まんを買う若いOLさんがいました。ある日、来店した彼女が肉まんを買わなかったのです。思わず「いらっしゃいませ、今日は肉まんはよろしいですか?」と私は尋ねました。彼女は何かバツの悪そうな顔をして会釈して去っていきました。

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その後、OLさんは店に来ても肉まんを買うことはありませんでした。おそらく、私は距離感を間違えたのです。女性にとって、「毎日肉まんを買って帰宅する」という行為は誰にも触れられたくないものだったのでしょう。

勝浦雅彦『つながるための言葉 「伝わらない」は当たり前』(光文社)

私たちは時にとても傷つきやすい生き物です。距離感を間違えたひとことが相手に届かずに、夜も眠れないくらい気にしてしまうこともあります。

でも、考えてみてください。あなたが誰かに話しかけたり、コンタクトを取ることは、やらなきゃ確実にゼロなことを、勇気を持ってイチを生み出そうとしている行為なのです。

まず、そんな風に行動した自分を褒めてあげてください。そしてあなたが本当につながりたい気持ちを持って、コピペではない言葉で相手にコンタクトしていれば、百人中百人に無視をされたり、訝しがられることはきっとありません。さらにある一定の割合でそれはいい関係を築く端緒になってくれるはずです。