心臓の不調を示す「5つの予兆」
心臓突然死の主な原因は虚血性心疾患と説明しました。これは高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満、食事、運動不足、ストレスが関係しています。自覚症状があれば、それを見逃さないことで心臓突然死のリスクを減らすことができます。
私は心臓血管外科の専門医として、これまで数多く患者さんを診てきました。私は問診で必ず尋ねることがあります。「心臓病かもしれない予兆」は以下の5つから判断することができます。
2.階段を上って息が切れる。
3.疲れやすい。
4.夜中にトイレによく行く。
5.ドキドキという不整脈の症状がある。
これら5つの状況を患者さんに伺い、心電図や造影CT検査の結果と合わせ、診断を確定していきます。私の病院には紹介状を持っていらっしゃる患者さんが多いので、すでに診断名(病名)はついていますから、心臓弁膜症(心臓内の弁に何らかの障害が起きる病気)の人には「おしっこに行く回数が増えたか?」など心不全に関係する質問をします。心不全(心臓の働きが低下する症状)が進んでいる場合はトイレに行く回数が増える傾向があるからです。
狭心症(心筋に供給される酸素が不足して胸部が痛む症状)の人には「どれくらいの頻度で痛みが起こるか?」というように焦点を定めた質問ができます。「胸が痛い」という症状は、狭心症か、大動脈弁狭窄症のどちらかです。「痛みがない」なら心不全を疑います。
胸が「ズキズキ」「チクチク」「ドキドキ」すると患者さんが表現することがあります。このような場合の重症度はあまり高くありません。「チクチク」だと心臓病ではなく大抵は神経痛です。痛みや違和感が続いたり、締め付けられるような痛みを感じたりしたら要注意です。
心臓専門医は死に至る心臓病を外見や症状から未然にキャッチする名探偵です。「たぶん一過性だろう」「体質だから心配ない」「年だから」などと自分で判断せず、これら5つの予兆をキャッチしたらすぐに心臓専門医を受診してください。
心臓が悲鳴を上げている「6つの重症サイン」
ところが、以下の6つの症状があったり、症状が長く続いたりする場合は「重症サイン」として危険スイッチが入ります。一刻の猶予もありません。