ファシリテーターの能力は、この事務局力とほとんど同じです。参加者の声なき声に耳を傾け、場の求める方向を定め、それに応じて方法論を駆使して、対話を促していく。事務局力を持つ人は、次の「7つの仕掛け」ができると書いたのですが、フューチャーセンター・セッションのファシリテーターにもこの7つは不可欠といえるでしょう。
仕掛け(1):「ケア」するメール
仕掛け(2):アガペー(神の愛)モード
仕掛け(3):鍋奉行ホワイトボード
仕掛け(4):付箋ワークセッション
仕掛け(5):内職プレゼンテーション
仕掛け(6):あこがれベンチマーキング
仕掛け(7):あとづけバイオグラフィー
「ケアメール」は、セッションへのゲストを招待する上で、もっとも大事な仕掛けです。「なぜあなたに来てほしいか」を事前に伝えることで、一人ひとりをその場の主役にします。そこに誰を呼ぶか、というところが「あこがれベンチマーキング」になります。この人の情熱はすごい、この人の考え方に触れたいと思えるような、あこがれの人をフューチャーセンター・セッションにお招きしましょう。セッションが始まれば、もうここからは「アガペーモード」で、どんな参加者に対しても深い愛と傾聴で対応しなければなりません。「鍋奉行ホワイトボード」のように板書でリーダシップをとるときと、参加者の主体性を引き出す「付箋ワークショップ」をバランスよく使います。そしてセッションの終盤に内容を整理して示す、「内職プレゼンテーション」。バラバラになってしまったように感じられたアイディアが、4象限のシナリオにピタッとはまって示された時、参加者のアウトプット感は一気に高まります。そしてセッション終了後、その結果をどう整理してフィードバックするかで、参加者が次のアクションを起こしてくれるかは決まります。そこは、まさに「あとづけバイオグラフィー」です。讃えましょう、参加者の貢献と、得られた洞察の大きさを。