子供が巣立った瞬間「ぶわっ」とした性欲が湧き…
性経験の無さから利用する女性たちがいる一方で、深刻なセックスレスに悩み、やむにやまれず女風を利用する女性たちもいる。
Bさん(50代)は、夫が大病を患ってからというもの、セックスレスとなった。子供が大学を卒業し、就職が決まった時、その安心感か、突然「ぶわっ」とした性欲が湧き、止まらなくなる。考えてみれば、これまで妻や母として生きるのに精いっぱいだった。夫とも20年以上セックスしていない。しかし、そんな「母業」から解放されたところにやってきたのは「女」としての欲求が湧いてきたのだ。
行き場のない性欲に戸惑ったBさんだが、夫をさり気なくセックスに誘ったこともある。しかしBさんいわく夫は典型的な「昭和の男」で、そもそも女性を喜ばせようという発想が無い。セックスしても自分がフェラや手でやってあげるばかりで、何度かセックスしてみたものの「もういいや」と疲れてしまうのだった。
聞くと、Bさんはそれまで浮気などしたことがない貞淑な妻だったが、性欲に突き動かれるように、かつて付き合っていた人の連絡先まで無意識に探してしまうほどだった。Bさんは、中年期の女性の性欲というワードをスマホで検索し、女性用風俗に行きついた。Bさんの冒険が始まった。
パートナーに「諦め」の念を抱く女性たち
初めてのセラピストはディルドを入れようとしたが、「20年開かずの扉」だったため、激痛が走り、なかなかうまくいかなくなった。
しかしその後、元AV男優のセラピストなどと出会い、「プロ」の仕事ぶりによって、自らの性感帯も初めて知ることになった。体中をやさしくなぞるフェザータッチは夫にはないもので、Bさんを驚かせた。
Bさんは、女風を通じていろいろな「性」を巡る冒険をした。夫には言えない甘ったるいスケスケのランジェリーを着てみたこともあったし、性欲が高まったときに自慰を行うためのディルドも抵抗なく買えるようになった。
女風を取材していて感じるのは、Bさんのように彼氏や夫などリアルのパートナーへの一種の「諦め」が利用動機になっているケースが多いということだ。話を聞いているとそこには前戯が少なかったり、ほとんどない状態でのセックスに日々うんざりしているという女性たちの本音がこれでもかと出てくる。