情緒不安定な恋人からの質問を想像してみる
とはいえ、最初は正確な「面接官のツッコミ」を妄想できないかもしれません。そんなときは極端な例ではありますが、こんな風に想像してみてください。
あなたには情緒不安定な彼氏・彼女がいます。
「好き?」と聞かれて「好きだよ」と答えるくらいでは、あなたの恋人は不安でたまらなくなってしまいます。ましてや「顔がかわいいから」と表層的な理由を伝えたら「じゃあ、もっと好みの顔の人がいたらその子にしちゃうの?」と喧嘩になることでしょう。
そこであなたは「出会ったときはこう思ってたけど、しだいに○○だと知ってますます好きになったんだ。そして最後に○○があって、君のことしか考えられないって思ったんだよ」と実体験に基づく具体的な理由を答えることになるでしょう。
「本当にウチがいいの? 適当に合わせてない?」
実を言うと企業の面接では、情緒不安定な恋人を説得するのと全く同じ文法を求められます。あなたはESでも、面接でも、しつこいくらいにその会社が本当に第一志望なのか、それはなぜか、どこが好きなのか、どういう経緯で知ったのか、どんなことをしたいのか……と深掘りされます。
うっかり他社とかぶりそうな理由を伝えれば「それって他社でもいいんじゃないの? 本当にウチがいいの? なんで?」と言われてしまうのです。
そう思えば、面接官のツッコミもわかりやすいのではないでしょうか。
「『自営業の父を見て自分もモノづくりをしたいと思った』ねぇ……。そんなにお父さんを尊敬しているなら、なぜ跡を継がないの? 本当は数年でウチなんか辞めて、跡継ぎになろうって算段でしょ?」
「大学でマーケティングを勉強したのに、なぜ商社で営業をしたがるの? 本当はマーケティング系の業種が本命で、うちが商社だからって適当に合わせてるんじゃない?」
「夢は納得できたけど、それってウチじゃ実現できないかもよ? それでも弊社のこと、好きって言える?」
……ほら、面接官がちょっとラノベのキャラに見えてきませんか? ここまで想像がはかどればしめたもの。あなたはすでに面接対策の達人です。
もし不安が残るならば、OBOG訪問で「このESをもとに面接なさるとしたら、どういう質問をされますか?」と相談してみましょう。