ダメESを出してしまったときは面接で即謝る
さてここまでは、理想的なESを提出できた場合の対策です。いくら真剣に就活に臨んでいる人であっても、何十社もエントリーしていたら、期限に迫られてつい他社のコピーで提出してしまった適当なESや、急ぎすぎてろくに調べ切れなかった企業もあるでしょう。それをここでは一切責めません。
私は学生時代に70社以上エントリーしていましたが、浅はかなESで面接へ向かってしまったことは一度や二度ではないからです。
もしもあなたがダメESを出してしまったのなら、提出したESの内容は忘れましょう。どこをどう弄っても、ダメなESはどうにもなりません。
面接でも開口一番に、「ESを書いたときは自分の言葉足らずで、志望動機をうまく説明できませんでした。申し訳ございません! まっさらな状態で再度、志望動機を聞いていただけないでしょうか」
……と、謝ってしまったほうが通過率も上がります。素直さは好印象を与えられるからです。
下手に取りつくろって失敗を覆い隠すよりも、ミスはミスと認めてしまうこと。それが準備不足になった企業への突破口です。もちろん準備万端の学生と比べて採用される確率は下がります。しかし数百人、数千人単位で内定を出す企業であれば「お目こぼし」を狙えるのです。
準備不足に対する上手な切り抜け方は就職後も役立つ
その際、必ず「どうして準備ができなかったのか」と質問されるかと思います。うまく切り抜ける答えは、あらかじめ考えておきましょう。たとえば、
「貴社への憧れは強くありましたが、実際にどう会社で勤めるかのイメージができないままESを書いてしまいました。その後、OBOG訪問で社員さんから直接お話を伺うことで、実際に働く像が掴めました。そのうえで本日あらためて志望動機を申し上げます」
こんな風にまとめられれば、体裁を保てます。
これから社会へ出て、資料不足のままプレゼンへ挑んだり、本社からの情報を得られないまま取引先へ現状を説明したりせねばならない日もくるでしょう。
そういった事態へ対応するのがこういった「上手な切り抜け」です。実際、面接へ行きたくなるくらい惹かれたのは嘘ではないのですから、ESで書いたことをひっくり返してでも、状況を切り抜けましょう。
ただし切り抜けるときは「体調不良で集中できず」などと心身の不調を言い訳にしないよう注意してください。体が弱いと誤解されて、せっかく通る面接も落とされかねません。
心身の不調以外で切り抜けるすべを思いついたら、あらためて前項の「面接官は『情緒不安定なラノベのキャラ』と心得よ」の項目を読んでください。
そして自分が口頭で伝える志望動機や学生時代に力を入れたことを書き起こし、ツッコミを書いてみましょう。