日本内科学会の理事は年間700万円超を稼ぐ

たとえば、降圧薬は日本高血圧学会、コレステロール低下薬は日本動脈硬化学会、糖尿病治療薬は日本糖尿病学会の幹部である大学教授や有名医師が、多くの場合、講師を務めます。一回あたりの講演が10万円だったとしても、各地で何度も講師を務めれば相当の収入となるでしょう。

加えて、新薬の研究開発にかかわればコンサルタント料、パンフレットに協力すれば原稿執筆料や監修料などが入るわけです。それが、1年間でどれくらいになるのか。

Tansaに「主要20学会別 理事平均受領額ランキング」が掲載されています。

それによると2018年、1位の日本内科学会がなんと約708万円、日本皮膚科学会が約583万円、3位の日本泌尿器科学会が約564万円、4位の日本眼科学会が約329万円、5位の日本整形外科学会が約212万円となっています。つまり、有力な学会の幹部になると、日本人の平均年収(約400万円)を超えるお金を、講師料やコンサルタント料、原稿料などだけで稼ぐことができるのです。

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製薬会社からのお金で子どもの授業料を賄う人も

実は大学医学部の教員は、教授といえども一般病院の勤務医や開業医に比べると、決して給料が高いわけではありません。とくに私立大学の教授の年収は1000万円に届かないと聞いています。そのため、大学病院の医師は民間の医療機関で非常勤医師としてアルバイトすることが許されており、それによってはじめて勤務医や開業医並みの給料になります。

そうした懐事情のなかで、製薬会社が主催するセミナーでの講師料や研究協力に伴うコンサルタント料は、医学部教授たちにとって貴重な収入源と言えるでしょう。

新薬セミナーの講師をやりまくって、子息が通う私立大学医学部の高額な授業料を払ったと噂された医学部教授もいます。

私立大学医学部の6年間の授業料は安くて2000万円、高いところだと6000万円にもなりますから、製薬会社からのお金がありがたいものであるのは間違いありません。それくらい、医学部の教授たちは製薬マネーに依存しているのです。