定借マンション購入は「地主は誰か」に注意
藤沢氏が最初に指摘するのは、「駅から10分以内の物件を選べ」ということだ。
一見、常識的な教えである。
だが、毎朝の折り込み広告を見ればわかるとおり、売り手側は「駅から遠い」という決定的に不利な条件を、たとえば「緑濃い環境」「閑静な住宅地」などの別の長所を強調することで打ち消そうとする。それに惑わされてはならない、というのである。
売り手が大手デベロッパーでも事情は同じ。
「駅から遠い立地でも、土地が出ればデベロッパーは買って開発します。ですから、そこは騙されないように」
そうはいっても、マンションを買うとき最も身近な情報源になるのが折り込み広告だ。どこに注目したらいいのか。
「基本的に売り手が知ってほしいことは特大の活字で伝えます。しかし『知ってほしくないけれど、言わなくてはならないこと』は片隅に小さい活字で固めて書きます。ここをきちんと読まなくてはいけません」
たとえば、物件の売れ行きを見るには何期目の販売か、そして「総戸数/販売戸数」をチェックするといい。「第3期、総戸数44/販売戸数8」とあれば人気薄の物件であることがわかる。しかも太字で「先着順」と書いてあれば決定的だ。
「数十戸の規模で、ほんとうに人気のある物件なら一期だけで売り切れます。新発売でも『先着順』だったら、あまり人気はないと見るべきです」
竣工時期を示す「建物竣工」の項目も確認しておきたい。できあがってから半年も経っていたら、それだけ人気がないということだ。もっとも、人気薄の物件は値引き交渉しだいで安く買えるというメリットがある。竣工から半年のマンションなら「1割引くらい」が目安という。