アンケート依頼をした学校・教育委員会の7割が回答

昨年の10月~11月にかけて、学校・教育委員会を対象とした大規模なアンケートを、独自に実施しました。それを知った教育評論家やNPOの方からは、「学校・教育委員会は閉鎖的だから、アンケートを依頼したって答えてくれるはずがない」と言われました。しかし、結果は違っていました。

依頼した教育委員会は100件、学校は150件(対象はいずれも全国)ですが、教育委員会71%、学校73%と、高い割合で回答してくれました。学校・教育委員会は、決して閉鎖的ではありませんでした。そして、アンケート結果からは苦悩する教員の姿が浮かび上がってきました。

主な回答を紹介したいと思います。

子どもに寄り添い対応したいと思っている教員

まず、「児童または保護者から相談を受けた場合、どのような対応を心がけていますか?」と質問しました。もっとも多かったのは「児童に寄り添った対応を検討する」61%。先生たちとしては、当然のことですが、子どもに寄り添い、いじめを解決したいと思っているのです。

しかし、世間からはそのように見られていません。

「いじめ問題への対応が遅れるケースが多いが、原因はなんだと思うか?」という質問について、もっとも多かったのは「保護者との話し合いが難航し、関係がこじれてしまう」43%、次いで「日常の業務が多忙で時間が取れない」30%。自由記述では、「保護者の訴えと学校報告、状況が異なるので、確認などに時間がかかる」「参考となる通知やガイドラインの種類や量が多すぎる」などの回答がありました。