失われた30年を繰り返さないために
日本の「失われた30年」は、製造立国としての実力も地位も失った30年だったのかもしれない。2016年にシャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収をされた時も、製造立国としての「敗戦」などと表現する人もいた。2022年はその現実を直視し、「失われた40年」にしないための対策を考えなければならない。
そしていままさに2016年の「ホンハイの矢」に続き、台湾から「第2の矢」が放たれたのではないだろうか。その矢が、救世主としての矢なのか、悪魔としての矢なのかは、受け取る側の判断と対応に委ねられるだろう。
今後、多くの企業やベンチャーが自由に試作品や研究開発を進められる環境が進めば、世界を変えるような新進気鋭のメーカー企業が再び日本で生まれるかもしれない。どんな企業でもチャンスが与えられる産業政策と環境整備を、日本政府が多額の税金投入の対価としてしっかり進めていけば、必ず日本の製造立国としての復活はあると信じている。台湾もそれに期待して、日本に投資しているに違いない。