トイレ、休憩室、食堂も重要

他にも職場環境の悪さにつながりやすいものがあります。

・トイレの数が少ない/ほとんどが和式
・休憩室が狭くて汚い
・食堂が混んでいてゆっくり食事できない
・食堂の食事がまずい

現場をよく知らない人たちから見ると、ささいなことかもしれません。しかし、これらが積み重なると職場はギスギスするし、退社する人も増えていくのです。

トイレのあり方も見直したいところです。最近インターネットで、こんな記事が注目を浴びました。

【悲報】弊社に中途入社した新人が、初日に〈トイレが和式だった〉という理由で退職

決して笑い事ではありません。和式トイレは体に負担をかけますし、体の不自由な人にとっては死活問題になることも。それくらい、トイレの問題は軽視できないのです。

次のようなエピソードもあります。親会社から生産子会社の社長に就任した人が最初に目にしたのが、女子トイレの混雑。休憩時間がそれだけでなくなってしまいます。本来ならトイレの数を増やしたいところでしたが、赤字続きで経営が厳しく、すぐに対応できませんでした。そこでその社長は、生産ラインごとに休憩時間を少しずつずらしてトイレの混雑を緩和しました。

さらに汚れていたトイレや休憩室、食堂の壁紙を新しく張り替えたり、ペンキを塗り直したりしてほんの少しですが居心地のいいものに変えました。すると、それだけで働く人たちの気持ちが変わったのか、遅刻や欠勤をする人が減り、業績も徐々に上向いてきたのです。

「人を大事にしているか」があらわれる

職場が以前よりも少し居心地のいいものに変わるだけで、働く人たちは「自分たちのことを考えてくれている」と感じます。その分、以前よりも少しだけ一生懸命働いてくれるようになるのです。工場などで遅刻や無断欠勤が目立つと感じたなら、職場環境に目を向けてみましょう。職場環境が変われば、働く人の気持ちも変わり、それだけで仕事の質も変わっていきます。

こうした職場環境の改善が職場の雰囲気を変え、パフォーマンスを向上させるのは生産現場だけではありません。

オフィス環境をできるだけ快適なものにしようと、従来の誰がどこに座るかが決まっている固定したスタイルから、その日の気分や仕事内容によって座る場所を自由に決められるフリーアドレスを採用するケースがあります。あるいは、企業によっては電話などのない一人で集中できるスペースをつくったり、数人でミーティングするためのスペースを増やしたり、さらには瞑想や昼寝ができるスペースをつくったり、食堂やカフェを仕事もできるスペースにつくり変えたり、とさまざまな工夫が行われています。

写真=iStock.com/futurewalk
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