顔の変化を読み取れるとセルフマネジメントがしやすくなる

環境の変化によって内面の感じ方が変わることで、数カ月や半年、一年といった短期間で、顔の印象が大きく変化することもあるのです。

たとえば、人が笑顔をつくるときには大頰骨筋や笑筋といった筋肉が使われますが、こうした筋肉は、使えば使うほど発達していきます。筋肉の動きは他の部位にも影響を及ぼし、肉付きのハリが良くなるほか、口角も上がります。

しかし笑わない生活を続けていれば、使われない大頰骨筋や笑筋は退化していきます。すると肉付きのハリがなくなり、口角が下がります。しかめ面をしていれば、眉間にはしわができます。

また、人は20種類以上の表情筋を使うことでさまざまな表情をつくっていますから、表情筋が退化すると、表情に乏しい顔になります。自分では微笑んでいるつもりでも、どこか不機嫌そうな顔や悲しそうな顔に見えてしまうこともあるのです。

このように、相貌心理学的には、顔は「内面を表す鏡」と言えます。感受性がキャッチした環境や他者からの刺激が伝わって内面が変われば、顔も変わっていくのです。今まさにその人が置かれている環境が顔に表出するということです。

ですから、顔の変化をキャッチすることで、心理状態を把握することも可能になります。当然、自分の顔の変化を読み取ることはセルフマネジメントにつながります。

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内面がもっとも表れるのは“目”

現在の自分の内面を知る上で、もっともわかりやすいのは目です。目は、主に「情報・知識をキャッチする力」を示しています。

たとえばぱっちりとした大きな目の場合は、好奇心旺盛で新しい情報や流行に敏感であることを表しています。ただし自分の処理能力以上の情報を集める傾向があります。

反対に、細い目の場合は選択したい欲求が強く、選択基準である独自の考えに固執して視野が狭くなりやすい傾向を表します。

ですから、もしもあなたが「最近、何だか目が細くなってきたな」と思うようであれば、選択の欲求が強くなっているということです。何かにこだわりたい傾向が強くなっているのかもしれません。

イラスト=福原伸一
佐藤ブゾン貴子『人は顔を見れば99%わかる』(河出書房新社)より