3 頭の中のごちゃごちゃも整理しよう

仕事に集中しているときにかぎって電話が鳴る。
忙しいときにかぎって、上司や同僚に話しかけられる。
昼ごはんを食べた後は、集中力が途切れがちになる。

集中力は、一度途切れると、なかなか元には戻らないものです。再び作業に取り掛かろうと思っているのに、ついスマホでニュースを見てしまったり、ネットサーフィンしてしまったり、メールを開いてしまったり……。こんな経験がある人も多いと思います。

実は、中断した仕事を、スムーズに再開するにはコツがあります。

それは、再開後にやるべきことメモして、目につくところに貼っておくことです。こんな簡単なことで、作業を再開したときに集中力を瞬時に取り戻すことができるのです。

これには理由があります。私たちが一度作業を中断されると、すぐに集中を取り戻すことができないのは、「再開後に何をするか?」が不明確だからなのです。

特にオフィスワーカーは、同時並行で行わなければならない仕事をいくつも抱えています。いわゆる「マルチタスク」です。そのため、一度作業が中断されると、何から再開するか迷ってしまうのです。その迷いが、あなたの集中力を奪っているのです。

「今すぐ◯◯する」というメモを残す

これを防ぐには、再開時にやるべきことを、明確な「コマンド」として、決めておくことです。といってもやることは簡単で、再開時にやることをメモに残しておくだけ。私はこのメモを10秒でできるコマンド(行動内容)をメモするという意味で、「10秒コマンドメモ」と呼んでいます。

大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)

「10秒コマンドメモ」は、脳科学の知見を元に私が考えた方法です。このメモを見て10秒行動すると、行動力の源になる「ドーパミン」という物質を分泌する、脳の「側坐核」が刺激されます。それによって、迷うことなく動くことができるようになるのです。

ちなみに、このメモは、次のように書くと効果的です。

「今すぐ、作りかけのプレゼンを見る」
「今すぐ、Aさんに電話する」
「今すぐ、机上の領収証を処理する」

といったように、「今すぐ◯◯する」という形で書くのです。

なお、「10秒コマンドメモ」はパソコンのディスプレイや机の中央など、すぐ目につくところに残すようにしましょう。もちろん、いくつもやるべきことがあると迷いが生じますから「10秒コマンドメモ」は1つだけにすることがポイントです。

このように、ちょっとした工夫で仕事もプライベートもスムーズに進めることができます。ひとつひとつはそれほど難しいことではありませんので、ぜひ取り入れてみてください。

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