大ホール、最新鋭システムの模擬店舗、図書室、剣道場…

京都銀行では、2014年4月に、約56億円をかけて新研修施設「金融大学校桂川キャンパス」を完成させた。500人を収容できる大ホール、模擬店舗、機械研修室、和室研修室、241名を収容できる宿泊室、食堂、ラウンジなどを備えている。

西日本シティ銀行は、2017年3月、旧研修所などを建て替え、新しい研修所や独身寮などを備えた「ココロ館」を福岡市中央区に開館している。

地上12階地下1階で、敷地面積8583平米、延床面積約1万8200平米に及ぶ。1階にはエントランス、ラウンジのほか、歴史・文化サロン、学習室、行員専用の図書室には金融関係中心に約2500冊の蔵書がある。

2階は、セミナー開催のための大ホール(288席)、研修室があり、広大なルーフガーデンとカフェは地域交流の拠点となるように開放されている。

3、4階には、実際の店舗に導入している最新鋭システムを用いた研修ができる模擬店舗や端末研修室、PC研修室があり、新人向けの研修など、行員の能力向上や専門人材の育成が図られている。

さらに8階から12階には、男女別の独身寮、コミュニケーションスペース、多目的ダイニングなどがあるという。なお、地下1階には、多目的アリーナ(体育館)、剣道場、柔道場まで完備されている。

写真=iStock.com/MediaProduction
※写真はイメージです

ほぼすべての地銀が豪華な研修施設を持っている

これら「3大豪華研修施設」以外にも、北海道銀行の「ほしみ研修センター」、滋賀銀行の「しがぎん浜町研修センター」、紀陽銀行(和歌山市)の「紀陽研修センター」、ふくおかFGの「人材開発センター」など、ほとんどすべての地銀が、グラウンドや宿泊施設に模擬店舗や食堂のある立派で豪華な研修施設を所有しているのだ。しかも複数の研修施設を有する地銀も多い。

地銀の雄である横浜銀行も負けていない。2021年3月に、川崎支店が入る「横浜銀行川崎ビル」(地上10階、地下2階建て)内に宿泊研修施設「はまぎんラーニングセンター」を開設している。

研修室が全12室あり、すべての研修室にWeb会議システムを設置しており、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド型研修も可能である。4階の一部から10階が研修施設であり、カフェテリアや宿泊スペースもあるという。

このように、都心から離れ、不便な三鷹の地銀協の合同研修所を使わなくても、自前の豪華研修施設を競うように新築したことで、合同研修所が、無用の長物になってしまったのが、合同研修所の売却に関する報道の真相といえよう。