海外では1人2、3件の“ご褒美のためのサブスク”を契約

服部さんは、日本総研やボストン・コンサルティング・グループなどを経て、ディー・エヌ・エー(DeNA)に転職。ベンチャー関連の投資業務を行なう中で「海外では、女性が自分へのご褒美にと、サブスクを1人で2、3件契約する事例が増えている」との動きをつかんでいました。

スナックミー代表 服部慎太郎さん(写真提供=スナックミー)

その経験から「日本でも特徴あるサブスク事業を始めれば、数年後には一定の投資が得られるだろう」と考えたそうです。

一方で、「スナックミー」を始めたきっかけの一つは、「僕自身、第一子が産まれたタイミングで、一般に売られている菓子の『外箱』の表示(原材料)を気にするようになったから」だと服部さん。

「三度の食事だけでなくおやつも、ナチュラルな素材で作られた栄養価の高いものを食べて欲しい。そこで、人工添加物や白砂糖などを使わない『自然素材』にこだわろうと決めました」

手作り感満載のFacebook広告でも100人近い利用者登録

もともと週末に都内のマルシェを覗くのが趣味で、「世の中にはこんなに面白い食べ物(商品)があるんだ」と行くたびにワクワクしていた服部さん。

そんなマルシェのような楽しさや発見を、ECでも体験してもらえないか、との思いがスナックミー発想の原点。そこから、毎月一人ひとりに合ったおやつを選び、自宅に届けるという「おやつのサブスク」の事業化に至ったといいます。

もっとも、2016年3月のローンチ時点では、一般のフリー素材からダウンロードした簡素なロゴを使い、手作り感覚のSNS広告で「間食がやめられないあなたに」などシンプルなコピーで訴求していたそうです。

ですが、そんなFacebook広告でも100人近い利用者登録があったほか、広告を止めてもユーザーが増え続け、「やはりニーズはある」と確信したとのこと。

その後、妻の“ママ友”人脈などリアルのコミュニティを通じてニーズを検証しながら、みずからもスナックミー用のおやつを共同開発してくれるOEM先を探し回った服部さん。

OEM企業が順調に増えていったのは、スナックミー特有の「ある仕組み」とも深い関係があったようです。

それが、利用者が自分専用のおやつの好みや感想(評価)を投稿するというシステム。