関門④:辞職勧告

とはいえ、これほど問題になっている木下都議を議会も看過はできない。そこで「辞職勧告決議」という手段に出た。

あくまで決議するだけで強制力のないものだが、どんなに激しく抵抗を続ける議員も辞職勧告決議が出た時点で、たいていの場合観念する。民意を受けて職に就く立場として、さすがに全会一致で辞職を迫られ、そこに至る過程で拡大した世論には逆らえない。普通は辞める。ましてや2回も辞職勧告をされて辞めないなど正気の沙汰さたではない。

木下都議は今、「今さえ耐えれば……」とでも思っているのか、「どうせ次はないのだからもらえるものは何が何でももらう」と思っているのか、その胸の内はわからないが、とにかく開き直られたらどうしようもない、というのが議会の実情なのである。

こうして、辞職勧告決議という荒波もひょろりとかわしてしまった。

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関門⑤:欠席中の報酬カット

「なぜ、こんな議員に報酬が払われ続けるのか⁉」という声は日に日に高まるばかりだ。その非難は議会にも多く寄せられた。そこで議会が打とうとした次の手が、「長期欠席議員に対する報酬削減案」だ。

さすがに報酬がもらえなくなったら辞めるだろうし、少なくとも先述のような非難は収まるだろう、ということでひねり出した苦肉の策だったが、これが都議会内で調整が難航。

「病気療養中や事故でやむを得ず欠席した場合はどうなるのか」「ましてや一度でも顔を出したら削減させられないじゃないか」などという議論が交わされたのだが、それを見越してか、11月9日に木下都議当人が突如ひょっこり議会に顔を出し、これまたするりとかわしてしまうのである。