義母の仕打ちと夫の無神経さで体調不良に

「義母は、以前と比べ体がきかなくなったことを盾にして、ここぞとばかり甘えてくるようになった。食事の内容が気に入らないからと私につくり直しを命じたり、朝と晩に1時間ずつ入浴のサポートを強要したりと、わがまま放題。『若いお嫁さんだったら、もっとテキパキと要領よく動けたのに』『孫がいれば私も元気が出るのに』などイヤミもエスカレートしていった」。

義母との毎日にストレスはたまるばかりだったが、Kさんが一番許せなかったのは義母の言動より夫の態度だった。Kさんいわく、「もともとマザコン気味だった夫は、介護中の私をねぎらうことすらしなかった。それどころか、義母からたきつけられているのか、『もっとおふくろに優しくしてやってくれよ』と私を叱責するようなことまで平気で言ってくるようになった」。

義母の心ない仕打ちと夫の無神経さが原因でたまったストレスにより体調不良まで引き起こすようになったKさんは、同居から1年後、家を出ることを決意。「このままあの家で暮らすくらいなら、ひとりでやっていくほうがマシだと思った」と話すKさんは、夫と離婚協議に入ったところだという。

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総じてトラブルの原因になるのは「夫の感謝不足」

介護の形はさまざまだが、私のところに訪れる介護がきっかけで悪化した夫婦関係の相談ケースを総括すると、「精神的にも物理的にも妻の負担が増えたことに対し、夫からの感謝やねぎらいの気持ちが圧倒的に不足している状態」がもろもろのトラブルを生じさせていることが多い。なかには【CASE2】のような例外もある。

裏を返せば、介護離婚にいたらないためのポイントがおのずと見えてくる。つまり、介護を請け負ってくれているパートナーが不満を感じることのないよう、十分な感謝とねぎらいの気持ちを伝えることが必要不可欠、ということになる。「いつもありがとう、本当に助かるよ」「おかげで、おふくろもよろこんでいるよ」といった心のこもった言葉も決して惜しんではいけない。

いずれにしても、パートナーが介護による負担で疲弊しているのを感じた時は、「この先もずっと、夫婦がうまくやっていくために今自分ができることは何か?」を最優先で考え、相手が抱えている不満を解消する努力をすることだろう。

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