シンクタンク「米戦略国際研究センター(CSIS)パシフィック・フォーラム」の研究員である防衛アナリストのブレイク・ハージンガーは、水中での軍事力について言えば、韓国にとっては「人民解放軍の潜水艦よりも、北朝鮮の潜水艦の方が遥かに大きな懸念材料だ」と本誌に述べた。
だが彼は、「中国は外洋航行能力の強化を目標に掲げており、中国海軍が潜水艦の派遣範囲を拡大していく可能性は高い」とも指摘した。周辺地域のほかの国々にとっては、「中国海軍の潜水艦が周辺海域に頻繁に来るようになったり、しつこく居座るようになったりすれば、インドやオーストラリア、ニュージーランドな国々も、これまでよりずっと大きな脅威を感じるようになる可能性が高い」と主張した。
中国の軍事的な成果については、最近では海洋進出以外の部分が注目されることが多い。たとえばフィナンシャル・タイムズ紙は、中国が夏に2発の極音速ミサイルの試験発射を行ったと報じた。
こうした次世代兵器の開発競争は、確かに冷戦勃発の懸念を引き起こす。だが現在、米中の対立は主に海上水域で繰り広げられており、最前線の海軍兵や海兵隊員にとっては、潜水艦の脅威こそが、最大の懸念材料であり続けている。
「一般に、潜水艦は偵察能力という点でも、海洋での物理的な脅威という意味でも、確実な脅威だ」とハージンガーは指摘。「古い格言」だとして、次のように述べた。「艦船には2種類しかない。潜水艦と、その標的だ」