公務がなくて困るのは国民ではなく皇室
もう少し踏み込んでいうと、天皇・皇族が公務をやらなかった場合に困るのは、国民ではなく皇室でしょう。
国民に対して皇室の存在をアピールする機会が減れば、「皇室のみなさんは、何の仕事をしているのか」などという声が世間に広がる恐れがあります。
「国民に寄り添わなければ、皇室が危機に陥るのではないか」などと皇室ジャーナリストが言うのも、そういう意味でしょう。
しかしそのために皇族自身が過重な公務の負担や自由のない束縛された生活で苦しむというのであれば、本末転倒になってしまいます。
皇室の存在意義はどこにあるのか
ここまでいうと「しかし公務をやめてしまったら、国民との触れ合いが乏しくなってしまう。そうなったら、皇室の存在意義はどこにあるのか」という疑問の声が出てくるかもしれません。
そう、皇室の存在意義はどこにあるのでしょうか。
たまたま過去の歴史上の天皇の子孫というだけで、何のために一定の人たちを、生まれつき職業選択の自由も居住移転の自由もない状態で拘束しておかなければならないのでしょうか。そこまでの犠牲を払ってまで、何が達成されるのでしょうか。
皇室に存在意義がある(べきだ)と考える人たちは、この問いに答えなければならないはずです。