カプセルトイに訪れた第4次ブーム

ブームの後押しもあり、現在カプセルトイの市場規模は400億円に達したとされる。その歴史を少しだけ振り返ってみよう。

カプセルトイが日本に登場したのは、1965年。この頃は駄菓子屋の軒先などに置かれるのが一般的で、1回10円だった。

77年にバンダイが参入し、80年代に入って当時大人気だった漫画『キン肉マン』のキャラクター消しゴム=「キンケシ」を100円で発売。累計1.8億個を売り上げるブームとなった。これが第1次カプセルトイブームである。

第2次ブームの訪れは、90年代半ば。ウルトラマンやゴジラ、ドラゴンボールなどのフィギュアが「ガシャポンHG」シリーズとして発売された。この頃から、200円の商品が出はじめる。

第3次ブームを牽引したのは、2012年に発売された「コップのフチ子」シリーズだ。コップにフチ子さんを引っかけて撮った写真をSNSなどにアップするのがはやり、女性や大人のファンを増やすきっかけになったとされる。

そして、20年頃から第4次ブームに突入。現在に至る。

ファンの男女比は4対6

では、今回のブームにはどのような特徴があるのか。まずはファン層の拡大が挙げられる。

「ガシャポンのデパート1号店で調べたところ、オープン当時の男女比は4対6。相変わらずお子さんやフィギュア好きの大人の男性も多いですが、女性ファンが増えているのが第4次ブームの特徴でしょう。池袋総本店で見ていると、来場者は20代の女性グループが目立ちます」(佐々木氏)

女性ファンが増えた理由はいくつか考えられる。まず、「コップのフチ子」シリーズ以降、カプセルトイの楽しみ方を覚えた女性ファンが固定客になったこと。

その後、女性人気の高いキャラクターが次々にカプセルトイとして登場したこと。先述のバンダイでも、15年頃に『セーラームーン』シリーズというヒットを出している。昨年であれば、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』。特に鬼滅の刃人気はすさまじく、佐々木氏いわく「業界全体の売り上げを押し上げた」ほど。

実は、ここ数年で一気に増えた大型専門店の存在も、女性ファン増加の一因だ。これまでカプセルトイの自販機は、ショッピングセンターのトイレ付近など、どちらかというと人目につかない場所、または駅などの人通りの多い場所に置かれるのが一般的だった。