また、FXでは円よりも金利の高い通貨を買うと、金利差分のいわゆるスワップポイントが得られるが、CFDの場合、基本的に「買い」では金利を支払い、「売り」で金利が得られる形になる。そのため長期保有はお勧めできない。長期にわたって買い持ちのポジションを取り続けると、金利負担が重くのしかかってくるからだ。FXの場合、高金利通貨を長期にわたって買い持ちにすることで金利を稼ぐという投資スタイルが可能だったが、CFDはそれができない。買いから入るのであれば、FXにも増して短期的な値上がり益を狙う商品だといえる。
今年は、CFDに参入する業者が急増すると予想される。FXが日本でブームになりはじめた98年頃、好ましくない業者も数多く参入し、顧客トラブルが続出したが、似た状況になるかもしれない。
トラブルを避けるためには、手数料や、取引システムの使いやすさに加え、業者の信用力に十分注意する必要がある。FXに関しては、現在、証拠金の信託保全の義務化が検討されており、近々それが実現したとすれば、業者が破綻した場合にも、投資家が不利益を被るリスクはかなりの程度まで軽減されるだろう。
しかし、CFDの場合、顧客資産の保全について、まだルール化の動きが見えてこない。となると、業者が破綻すると預けた証拠金が戻ってこなくなる恐れがある。きちんと会社資産と顧客資産は分別して管理されているか、証拠金はどのような形で保全されているかなどは、事前に確認しておいたほうがいい。FXも信託保全が行われていない業者では、顧客の資産返還を巡ってトラブルにつながるケースが多いからだ。