大手新聞社は「体質」を変えられるか

日本の大手新聞社は都心の一等地を保有していて、不動産業で利益をあげているところもありますから、潰れずにしっかり残るケースも多いでしょう。

新聞が信頼できるニュースを配信するという使命をまっとうするとしても、それは紙媒体ではなくネット上のこととなるはずです。だから、立派な社屋も印刷機械もいりません。

本社社屋を今のような都心に置いておく必要はなくなりますから、不動産業の実入りは今後増えるかもしれません。

アメリカの例を見ていても、オンラインの定期購読はうまくいきそうな気配がありますから、日本もそうなるでしょう。

ひろゆき『ひろゆきのシン・未来予測』(マガジンハウス)

いずれにしても、日本の大手新聞社がどこまで「自ら新しくなれるか」が問われているのですが、それができるかは疑問です。

たとえば、日本独特の「記者クラブ」というシステムがあります。この記者クラブは民間団体として幹事社の新聞社が経営しているものの、極めて政治的な動きをします。

このクラブに属していることで得られる情報があるため、すでに会員になっている社は新規参入を拒みます。

そして、この記者クラブを上手に使えば、政府もメディアをコントロールできます。つまり、権力側とメディアが持ちつ持たれつの関係でいる一面があるのです。

そういうおいしい思いをしてきた既存の大手新聞社が、どこまでその体質を変えつつ生き残っていくことができるか。それは簡単なことではないでしょう。

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