近年、「SDGs(持続可能な開発目標)」はビジネスのキーワードになっている。しかし2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「世の中には、一見、環境によさそうだけれど、少し考えれば意味のないことはたくさんある。SDGsのような『エコっぽいもの』に飛びつかないほうがいい」という――。

※本稿は、ひろゆき『ひろゆきのシン・未来予測』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(ベルギー・ブリュッセル)
写真=AFP/時事通信フォト
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(ベルギー・ブリュッセル)

SNS世代の心をつかむグレタさんの理想論

国連気候行動サミットで、地球温暖化対策に本気で取り組んでいない大人たちに対して怒りのスピーチを行い、一気に「次世代のリーダー」となった、高校生活動家のグレタ・トゥンベリさん。

彼女が主張するところの「パリ協定にある気温上昇を2度未満に抑えるという目標は、合意ばかりで実現していない」「そういう大人たちの事情を子どもの世代に支払わせるな」というのは、まっとうな言い分で、多くの若者たちの支持を得ています。

こうした声を真摯しんしに受け止めなければ、今後企業の生き残りは難しくなっていきます。

一方で、グレタさんのような「環境至上主義」の人たちの言うことには、矛盾もあるのです。

彼女たちの意見を突き詰めれば、「人間の手がかかっていないことがベスト」ということになります。だとしたら「人間を減らすこと」が地球環境にとって望ましいわけで、このまま僕らが生き続けること自体が問題になってしまいます。

飛行機に乗らずに船で移動するなどパフォーマンスに時間を費やすより、環境を守るための「具体的な技術革新」が必要なのだと僕は思います。その技術革新を、飛行機に乗っていち早く世界中に広めるべきです。

しかし、SNS世代は、彼女のような理想論に心動かされます。

これからの国や企業は、消費者候補であり投資家候補である若者たちの声に耳を傾けつつ、経済発展をさせるという難しい舵取りを求められているのです。