時間や手間のかからないロボアドバイザー

とりわけZ世代に好影響を与えそうなのは、ロボアドバイザーだ。少額で口座を開設でき、一度に投資するのも少額だが、長く続ければ目に見える成果が出てくる。ロボアドバイザーは通常、ユーザー体験がコンシューマー向けアプリに近いため、使いやすく、親しみやすく、視覚的な魅力を感じやすい。

ジェイソン・ドーシー、デニス・ヴィラ『Z世代マーケティング 世界を激変させるニューノーマル』(ハーパーコリンズ・ジャパン)

これらの要素は、お金を画面上の数字やビジュアルとして管理し、バックグラウンドで「あとはよろしく」と自動的に運用したいZ世代の好みに合致している。

アメリカの社会保障制度のような、政府によるセーフティーネットが自分たちの老後にはなくなっている可能性があることをZ世代はよく認識している。

現役生活を引退したければ、自分で勝ち取る必要がある。Z世代の9人に1人がすでに貯蓄を始めているように、リタイア後の生活への関心は高いが、ここでは若さが有利に働く。老後に向けた投資は、20代のような若いうちに始めれば、目標達成の見込みが大きく高まるからだ。

普通口座預金では十分な貯蓄ができない

20代で貯蓄を始めようと考えているZ世代は35%もいる。続く問題は、資金を銀行口座に預けただけで投資したつもりになるのではなく、実際に老後に向けた投資に踏み出すかどうかだ。

この懸念には根拠がある。ミレニアル世代を対象にした最近の調査で、老後資金を貯めるためにしている行動の第1位が普通口座への預金だったのだ。それでは安心して引退するのに十分なリターンを得ることは難しい。

現実のZ世代には、今から消費を抑えて貯蓄を継続していく心積もりと時間的余裕がある。雇用主が提供する確定拠出年金を利用するなど、預金から投資に移行することができれば、理想のライフスタイルを叶える経済的基盤作りに向けて、良いスタートダッシュを決められる。

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