ミレニアル世代のようにゴールドラッシュ思考には陥らない

Z世代とお金に関する議論に、仮想通貨とブロックチェーンは欠かせない。2018年に暴騰と暴落を起こしたことでビットコインは広く認知されたが、より広い概念として、既存の通貨を代替するという思想がZ世代を捉えたのはまちがいない。ただし、ビットコインバブルが弾けたとき、ほとんどのZ世代は年齢が低すぎたか保護者に禁止されていたなどの理由で投資できなかった。

ビットコインに飛びついたのは主にミレニアル世代で、値上がりしつづけるという過信や、リスクに対する過小評価から判断を誤った。それを横目に見ていたZ世代は、マネーや投資、リスクへの新たな向き合い方を見つけるだろう。

地に落ちたビットコインの概念
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上の世代のようなゴールドラッシュ思考に陥らず、伝統的な価値の媒体に代わるものとしてブロックチェーン技術を有効活用することも十分に考えられる。

7割が老後資金に「最優先で取り組むべき」

驚いたことに、Z世代の12%はすでに老後資金を貯蓄しはじめている。これは〈Z世代の実態2017〉で明らかになった数字で、回答者の14〜22歳という若さを考えればショッキングとさえ言える。Z世代を貯蓄に向かわせているものは、冒頭ですでに述べた要因と同じ。世界的大不況、保護者からの助言、ミレニアル世代の負債、不測の事態に対する経済的な備えの必要性である。

アメリカのZ世代は、社会保障が受けられず、希望どおりの老後を過ごす資金を自前で確保することになる可能性にも気づいている。大多数はまだ貯蓄を始めていないとはいえ、状況が許せば最優先で取り組むべきだとZ世代の69%は考えている。

貯蓄以外にも、Z世代は老後を考えるうえで変化とイノベーションが激しい時代に生きている。資産形成の助言にはロボアドバイザー(Wealthfront、Bettermentなど)が登場し、投資には医療貯蓄口座(HSA)が利用でき、老後資金には過去の遺物である年金以外の自己資金が求められる。