ジェンキンス氏の“by any estimation(どんな見積もりだったとしても)”には、「統計の方法の違いや、公式発表以外の死者数を加えたとしても」という意味が含まれています。実際、日本で行われた検査数はイギリスに比べて少なかったという事実はありますが、そうした点を考慮に入れても「日本の対策には一定の効果があり、どうやらうまくいっているようだ」と、大半の人が考えていたのです。
イギリスの文化は自分、自分、自分ばかり
ちなみに、チャンネル4はイギリスでもっとも左翼色が強いテレビ局で、普段は社会的な多様性や左翼的な価値観の啓蒙に熱心です。日本については、女性差別や排外主義などを指摘することが多く、決して親日的ではありません。そのチャンネル4が日本を絶賛しているのです。私はジェンキンス氏のツイートに対して、同日こう返信しました。
私は日本出身です。イギリスの人々の行動を見ていれば、この結果は納得です。誰もマスクをつけていないし手洗いもうがいもしない、土足で建物の中に入る、自己チューで個人主義、トイレや公共の場は衛生状態がひどく、(医療機関には)CTスキャンやMRIが少ない。政府の対応も遅い。
すると、イギリスだけでなく、諸外国の人たちからもさまざまな意見が寄せられ、ちょっとした議論の場になりました。大半の意見が日本の習慣や対策をほめていて、イギリス政府やイギリスの人々の行動を批判するものが目立ちました。寄せられた反応から、いくつか抜粋してみます。
・日本文化はお互いのためにふるまうことを大事にする。イギリスの文化は自分、自分、自分ばかり
・日本のほうがイギリスより人口密度がはるかに高いはず。ひどい結果だ。われわれは、人々のために働こうと思っていないリーダーにひどい目に遭わされているんだよ
・日本人はリーダーのいうことを聞くけれど、イギリスの人々は通りで祭りをやって、警官と乱闘するんだよ!
・日本人は常識に耳を傾ける、集団主義的な社会、コミュニティを守ろうという意識が強い。俺、俺、俺という自己チューで未成熟な社会じゃない
・たぶん日本の人たちは“STAY AT HOME”の意味をちゃんと理解している。(われわれの)政府だけを批判することはできない。出歩くほうがいいと思う人だらけなんだよ、ロンドンやパリは!
みなさん、驚きましたか?
これは決して左翼の人々が批判する「ネトウヨ本」や、日本を絶賛しまくる右翼系のテレビの話ではありません。イギリスや他の欧州各国、ナイジェリアやポーランドなどに住んでいて、実名でTwitterをやっている一般の人たちの書き込みです。