クラウドファンディングは儲からない
結局のところクラウドファンディングとはいったい、なんなのか?
経験上、クラウドファンディングだけで大儲け、ということは今までただの一度もなかった。そこそこの金額を集め、高い達成率を出している俺でも、正直言えば体感として「クラウドファンディングは儲からない」と感じている。「クラウドファンディングで一獲千金」を夢見ている人も一定数いるみたいだけど、個人的にはまったくオススメできない。
クラウドファンディングは「儲けるための試作品を形にするための資金集め」に使うものであって、クラウドファンディングそのものでお金を稼ごうという性質のモノではない。儲けたいのであれば、まずはクラウドファンディングで資金を得て、それで開発や制作をして、「出来上がったモノ」を使って儲ける、という順番になる。
もちろん想定の何十倍、何百倍と資金が集まれば、それは「クラウドファンディングで儲かる」に似た状況になることも考えられるけど、税金や送料もかさむわけだし、開発というのは底抜けにカネのかかるモノ、そんなに甘くはないんやで。
「モノの価値」をブーストしてくれる面白さ
クラウドファンディングの最大のメリットは「モノの価値をブーストしてくれる」こと。例えば、あなたは今イベント開催やCD制作などやりたいことがあり、その実現には100万円が必要だとしよう。
しかし、そこに300万円あったらどうだろうか。イベントだったらより豪華に、アルバムだったら曲数が増えるかもしれない、ガジェットならより高いスペックを狙えるようになるかもしれない。あなたの思い描いた夢の価値をブーストしてくれる可能性がある、それがクラウドファンディングの魅力だし、面白さなんじゃないかな。
「コンビニで働く兄ちゃんが思いついたアイデアが、クラウドファンディングで○億円集めた! って記事が雑誌『BUBKA』に掲載される」――自分が考えるクラウドファンディングというのは、これぐらい俗っぽくていいと思っている。メルカリなんかも“フリマ界の闇市”なんて呼ばれているけど、便利だし、その玉石混淆っぷりが大きな魅力にもなっている。
今現在、クラウドファンディングを利用している層は主にITにある程度通じているか、ネットにアクセスする時間が多い人だが、今後はもっと裾野が広がっていくはずだ。それこそマイルドヤンキーが使い始めたら国民的プラットフォームとなっていくんじゃないか、とも考えている。