アメリカの一部の州で人間とペットとの合葬を認める法律が施行

最近では、一族の墓にペットも一緒に納骨できる寺院も現れてきてはいるが、まだ少数派である。

では海外ではどうか。意外に思うかもしれないが米国では、日本以上にペットと人間とを一緒に埋葬することが難しいのだ。

米国では日本以上にペット飼育が普及している。67%の世帯が犬もしくは猫を飼っている(日本は22%)とのデータがある。

米国ではペットが死んだ場合、自宅の庭先に埋めるのが主流である。

ペット専用の霊園に埋葬する、という選択肢もあるにはある。だが、コストがかかり、庶民にはあまり普及していない。米国には、1896年につくられた世界最古のペット専用霊園ハーツデール・ペット墓地(ニューヨーク州)があり、現在でも運用されているが、あくまでもペット墓の利用は富裕層が中心であった。

では、人間の墓にペットを埋葬してもよいかといえば、宗教上および法律上の問題があり、多くの州では禁止されている。

宗教上の理由というのはキリスト教の聖書で、ペットは人間のように霊性がなく、天国に行けることを約束していないからだといわれる。キリスト教では、人間世界と動物世界とを明確に分けているのだ。

この宗教上の理由によって、多くの州法では人間とペットとを一緒に埋葬するのを禁止している。

ところが近年、一部の州で人間とペットとの合葬を認める法律が施行され始めた。

人間とペットとの関係性が深まり、一緒にお墓に入りたいという声が高まってきたからだ。世論に動かされる形で2014年、ニューヨーク州ではペット墓地に人間の遺骨を一緒の区画に埋葬できる法律が整備された。同様にニュージャージー州、バージニア州、ペンシルベニア州でもペットと人間との合葬が合法になっている。宗教が社会にすり寄り始めたのだ。

写真=iStock.com/DaniloAndjus
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米国ではペットの死後、エンバーミング(遺体の防腐処理)を施して遺体を保存し、自分が死んだ時に一緒に火葬、もしくは埋葬するサービスも出現しているという。

仏教はこれまで時代に合わせて、柔軟に変化してきた。日本でもペットが人間の墓に一緒に入れる日は、そう遠くはないと私はみている。

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