2019年度トップだった大阪府泉佐野市は…

2019年度は184億円で1位だった泉佐野市は、22億円で52位に沈んだ。泉佐野市は新制度から当初除外されたことを巡り、国と裁判沙汰に。2020年6月に最高裁で逆転勝訴し、制度に復帰できたのは7月末だった。泉佐野市ふるさと創生課の担当者は「はじめのうちは地場産品の泉州タオルのみを掲載しており、本格的に返礼品をそろえたのは9~10月になってからです」と説明する。

2020年11月からは独自のクラウドファンディング型ふるさと納税をスタート。寄付によって市内で新しい地場産品をつくる事業者を誘致する仕組みで、20年度は「氷温熟成牛プロジェクト」など9件すべてでプロジェクト化が決まった。担当者は「地場産品に限られた今のルール下では、海産物などに恵まれた自治体が上位に並びますが、目立った返礼品がなく苦しい自治体には新たに地場産品をつくり出す工夫が必要だと思います」と話す。

返礼品目当てではない高額寄付も

トップ500のうち、1件当たりの受入額が高かったのは沖縄県(140位)の89万7108円。長野県軽井沢町(435位)の67万8685円、東京都練馬区(490位)の42万7919円が続く。全国平均の1万9276円と比べると高額だが、沖縄県税務課によると、2019年10月の火災で焼損した那覇市の首里城の復興支援に対して多額の寄付が集まっているためという。

また、軽井沢町はこれまで返礼品を用意しておらず、地元の学校を応援したい人などから純粋な寄付を募ってきた。しかし「軽井沢」のブランド力向上を目的に、今秋から初めて返礼品を導入する予定だ。

なお、全自治体で1件当たりの受入額が最も高かったのは、「八丈島産くさや食べ比べ」や「パッションフルーツ尽くしセット」が人気の東京都八丈町(516位)。121件で約3億円、1件当たりは251万と全国でとびぬけて高い。要因を八丈町の担当者に聞くと、「特に高額返礼品を用意しているわけではありません。大変ありがたいことに八丈町が好きという方がお1人、毎年高額な寄付をしてくださっているためです」とのことだった。