既存オーナーと新規ユーザーへ訴求する販売戦略

このようにゴルフの首位転落の背景には、BMWミニ、メルセデス・ベンツAクラス、それぞれの台頭があるわけだが、2020年のデータでみれば上位10車のうち、8台がBMW、メルセデス・ベンツ、そしてフォルクスワーゲンで占められる。残る2台には、6位(60シリーズ)と8位(40シリーズ)に北欧ブランドであるボルボが食い込んだ。

こうした背景を受け、8代目ゴルフが日本市場でどう受け入れられるのか? フォルクスワーゲングループ・ジャパン(以下、VGJ)では2021年2月9日から事前受注キャンペーンを実施、6月15日に正式販売をスタートして約2週間が経過した執筆現在、「想定を上回る受注台数」(VGJ広報部)とのこと。さらに2021年末に向けてディーゼルエンジンモデルやステーションワゴンボディの追加も公表されている。

日本国内におけるゴルフユーザーへの買い換え戦略としては、「従来型から継承した定評のある性能と新型ならではの付加価値を、販売店スタッフからユーザーに対して積極的にアプローチすることから活動を開始した」(同)と説明。

また、歴代モデルからゴルフは新規ユーザーが多いモデルでもあるため、「新たな顧客獲得のため販売店での週末フェアをこれまで以上に複数回に渡って開催するなど、既存オーナーと新規ユーザーの両者へ訴求する戦略で臨んでいる」(同)という。

筆者撮影
新型「ゴルフ」1.5lモデル

世界的なSUVブームの中でいかに戦うのか

しかしながら、世界市場ではSUVブームが続く。フォルクスワーゲンでも従来型ゴルフをベースにしたSUV「T-Roc」や、コンパクトハッチバックの「ポロ」をベースにしたSUV「T-Cross」の引き合いが強い。そうしたなか、ハッチバックボディのゴルフをいかに推していくのだろうか?

「ステーションワゴンやミニバンからSUVへ乗り換えるユーザーが多いことは事実。ただ、ハッチバックボディの各モデルは安定した販売台数(年間約20万台規模)で推移し、ゴルフのほかにも各メーカーから毎年のように魅力的な新型車が投入される激戦区。その中で新型ゴルフの優位性をしっかりお伝えし、このクラスの定番であることをアピールする」(同)とのこと。

新型ゴルフは電動化にも対応済みだ。フォルクスワーゲン初となる48Vマイルドハイブリッドシステムを直列3気筒1.0lと、直列4気筒1.5lのそれぞれガソリンターボエンジンに採用し燃費数値を向上させ、同時に低速域での動力性能も高めた。