どうして「自分はダメ人間だ」と思ってしまうのか?
そもそも、なぜ自分はダメな人間だと考えてしまうのでしょうか? その理由は、二つあります。
一つは、人は、「グループに属していたい」と本能的に思うからです。原始時代、人間は、いまの野生の猿のように集団で生活していました。群れから仲間外れにされると、文字通り生きていくことができなくなります。そのために、できるだけグループの輪からはみ出さないように気をつけて行動していたはず。グループの意思に反したり、批判されたり、気分を害するようなことは極力しないようにしていたでしょう。
そうなると、「これはやっちゃダメだ」「それはやめておいたほうがいい」ということが、たえず頭の中でチラチラしていた(たぶん今も)のではないでしょうか。
もう一つの理由は、あなたの理想が不当に高いことです。
「自分は毎朝5時に起きてジョギングできるはず」
「もっと仕事ができるはず」
「恋愛もうまくいくはず」
そんなことを、根拠もなく思っているのです。
あなたの中には「ダメダメな自分」がいるとお話ししましたが、そのすぐ隣には、「完璧な理想の自分」がいます。このすごい人がいるために、ダメダメな自分が生まれ、いつも自己卑下しているといってもいいのです。
つい「完璧で素晴らしい理想の自分」と比べて、「なんで今の自分はこんなにイケてないんだろう」と思ってしまうのです。もしも、たいして期待していなければ、ダメな自分にも、それほどがっかりすることはないでしょう。