変化のスピードが速い社会だからこそ自分の時間を持つ
世の中の変化のスピードがどんどん速くなっている中で、このスピード感への対応ということも、今の時代の大きな特徴といえます。
とはいえ、表層的な時間という川の流れがいくら速くなろうとも、地下水のようなゆったりした自分の時間を確保することは、これからの時代にこそ必要といえます。
分刻みでスケジュールを組んで仕事をしたり、家事に追われたりするのが「表流水」であるとしたら、読書の時間は「湧水」もしくは「地下水」と考えられます。この2つをもつことで知のバランスがとれるのです。『論語』という2500年ほど前の孔子の言葉をかみしめる時間は、誰にも強制されないゆったりした自分の時間です。こうした「知の湧き水」が、私たちの知を枯渇させない源泉となるのです。表面の現代社会に対応しつつも、もうひとつの時間をどうもてるか。それが今を生きる大きなヒントといえるでしょう。
頭がいい人は睡眠の大切さを正しく理解している
また、そうした時の流れの速さに押され、足を引っ張る最たるもののひとつが、睡眠不足です。「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、睡眠は多くの人が考えているよりはるかに重要です。
自分の生活リズムに合わせて十分な睡眠を確保できれば、頭がすっきりと冴え、身体も健康に保てます。健康を保てているから、頭もスムーズに回転するのです。
仕事でもスポーツでも、豊かで実りのある時間を過ごしている人は、睡眠の大切さを理解している人です。睡眠の質でホルモンの分泌も変化し、それが身体のリズムに影響を及ぼすことを知っている人です。すべての人の平等に与えられている時間をどう工夫し、寝る時間をどう確保するのか。その「知の環境づくり」が、今後の私たちの暮らしに大きく影響してくることは間違いないでしょう。