「妥協しちゃいましょう」

日本社会は完璧主義で潔癖なところがあるので、「妥協する」ということに、抵抗感やネガティブな印象を持つ人がけっこういます。でも、僕は妥協って大切だと思うんですよね。

ひろゆき『ラクしてうまくいく生き方』(きずな出版)

妥協を認められない人は、自分の意見を曲げられなかったり、相手を言い負かそうとしたりします。でも、別に弁論大会に出てるわけでも、学会で議論しているわけでもないので、勝敗を決めたり真実を追求したりしてもしょうがないです。

僕はこれまでいろいろな人を公共の場で論破してきたので「論破王」なんてよばれることもありますけど、論破するというのは諸刃の剣です。なんでもかんでも論破すりゃいいってもんじゃありません。

たとえば、夫婦ゲンカで相手を論破しても、ずっと根に持たれたりして、いいことなんてまったくない。仕事においても、上司の意見に妥協せずに言い負かした結果、仕事を干されてしまったら本末転倒です。

実際、交渉事でも、どちらか片方の言い分が全面的に認められることはありません。だいたい中間のどこかで折り合いをつける形にまとまる場合がほとんどです。そのほうが、自分を含めた関係者みんなが気分よく受け入れられますから。

写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです

完璧にこだわって、自分を苦しめるよりも、妥協してそこそこハッピーな気持ちでいられるほうが絶対トクです。人生もそれと同じで、自分の理想を追求しすぎると、ちょっとした失敗が許せなくて自暴自棄になったり、理想の自分とのギャップに疲れたりしてしまいます。どこかで折り合いをつける、つまり自分の理想の人生に対して、妥協を認めてしまうことが大事です。

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