自分の人生を引き受けたときに起こる変化

「変わらなきゃ」という気持ちそのものが、変わる。私は、この変化のしかたをとても大切にしています。

武田友紀『雨でも晴れでも「繊細さん」』(幻冬舎)

それは自分を深く肯定し、「自分の行動によってこれから何が起ころうと、自分でその責任を引き受けていこう」と自分の人生を引き受けたときに起こる変化です。

誰かに危害を加えたり、生活の質を極端に下げたりするものでなければ、だめだと思う部分があってもやっきになって直すのではなく「今は低調だから、低調なりに過ごそう。時間がたてばおさまる」というのも、大切な自分の引き受け方です。

自分を信頼し引き受ける日々の中で、自分への理解が深まり、ある日はらりとかさぶたがとれるように、過去の思いが消化されることもある。専門家のサポートを受けて峠を越えれば、あとは必要な変化が自然と起こってくるのだと思います。

生きているというだけで、本当は全部OK

「こういうのが良い状態だ」という「あるべき状態」は、本当にないんですよね。本音を大切にするといいよと何度も本に書いてきましたが、それは「本音を大切にできればOKで、大切にできないのはNG」ということではないのです。人生には思いもよらないことが起こるし、どんな環境に生まれるかも選ぶことはできない。避けようもなく痛みを負うこともあります。

ぼんやり波間にただよう時期も、人を信じられない時期も、心身を削ってひたすらがんばる時期も、「あの人を見返したい、どうしても認められたい!」と、幸せとは逆方向へ全力で突っ込んでいく時期もあっていいのだと思います。

植物が、種の時期も茎だけの時期も、雨で泥だらけの日も花として咲いたときも、もしかしたら花が咲かなくても、全部がOKのように。生きることは、いま生きているというだけで、本当は全部OKなのだと思います。

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