義両親は悪い人じゃないけど気をつかう、親族の集まりに付き合わされるのがつらい……。精神科医の井上智介先生は「親戚付き合いがしんどい人は、同調圧力で関係を築いていて主体性がないから。自分の価値観で考えて、その付き合いにメリットがないのであれば無理しなくていい」と話す――。
リビングで家族団らん
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親戚付き合いのもつれで仕事に影響

僕のところに相談に来られる方の悩みの大半が人間関係です。人間関係の悩みは尽きることがないですね。その中には職場の人間関係だけでなく、家族や親戚といった身近な人間関係が含まれていることも少なくありません。身近な人間関係に振り回されることで、夜眠れない、だるい、といった体の不調が出て、頭がまわらなくてミスが増えるなど仕事で影響が出ることがあります。

特に30~40代の女性に多い悩みが、義理の両親との関係。中でもいっしょに住んでいる場合に、精神的なストレスを抱える人が多いですね。

義両親がプレッシャー

たとえば食事も、夫婦二人なら残りものや出来合いでいいと思えても、義両親がいると手作りしないといけない、部屋はいつもきちんと整理整頓しておかなきゃいけない、という考えになってしまう。義両親に何かを言われているわけではないけれど、自分がダメな人と思われるんじゃないかという恐怖心に勝てず、精神的にプレッシャーを感じ続けているわけです。

また、こまごまとした事例で言うと、旦那さんが親戚と仲がよくて、自分も集まりに行かないと変な空気になるから仕方なく行くとか、実家や親戚の家が遠くて日帰りできないから泊まらないといけないのがしんどいとか、いずれも相手に悪い気にさせないように、気をつかっているからリラックスできないということがありますね。

こんなふうに家族や親戚に気をつかったあげく、心が疲弊する、自分の休まる時間がない、という状態になっていきます。