ウソは明確に否定しなければ、国際社会は理解しない
読売社説は後半でこうも書く。
「政府は近年、河野談話を含め、軍による組織的な強制連行はなかったとする立場を明確にし、国際社会への正しい歴史認識の浸透を図っている。教科書での『従軍慰安婦』の使用は、こうした取り組みを損ねるものだ」
欧米を中心とする国際社会に日本の正しさを理解してもらうことが大切だ。これまで日本は敗戦国の立場上、慰安婦問題などの歴史問題についてストレートに主張することを避けてきたところがある。それが美徳だとの思考もあった。
だが、近年それが誤りであることが明らかになってきた。ノーと言うべきところは明確に否定しなければ、国際社会は理解してくれない。
ましてや慰安婦問題に関しては「国連の委員会では過去に、慰安婦を『日本軍による性奴隷』と決めつける報告書が出されている。慰安婦を象徴する少女像の設置といった韓国系市民団体による反日活動も続いている」(読売社説)。
読売社説は最後にこう主張する。
「事実に基づかない批判をこれ以上拡散させぬよう、政府は対外発信を強化しなければなるまい」
いまの日本政府には、この強い「対外発信」が欠けている。