「強制連行があったかのような誤解を招きやすい」
読売社説は「慰安婦表記『従軍』の使用は避けるべきだ」との見出しを掲げ、「『従軍慰安婦』という言葉は、強制連行があったかのような誤解を招きやすい。教科書などで使うことは不適当であり、不使用を徹底したい」と書き出し、こう指摘する。
「今回、政府が答弁書で、『単に〈慰安婦〉という用語を用いることが適切である』との統一見解を示したことは当然である」
私たち国民も「従軍慰安婦」と「慰安婦」の違いについて区別する意識を持ちたい。それが慰安婦問題で一方的に日本を攻撃し、慰安婦像の設置によって強制連行を世界各国に広めようとする韓国の反日運動家を牽制することにつながるからである。
読売社説は指摘する。
「慰安婦の強制連行があったと報じてきた朝日新聞は2014年、吉田氏の証言を虚偽だと認め、過去の記事を取り消した」
朝日新聞の慰安婦報道の過ちは産経社説のみならず、読売社説も言及している。産経社説や読売社説の言及に対し、朝日新聞はどう応じる気なのか。これは社説で正面から取り上げるべきだろう。
河野談話は「問題を複雑にしたと言わざるを得ない」
最近は新聞の社説が互いに論評や反論をすることがない。本来、社説同士のやりとりは、刺激が多く、社説を読む醍醐味だった。各社は読者の期待に応える努力を怠らないでほしい。
読売社説は河野談話について「問題を複雑にしたと言わざるを得ない」と指摘したうえで、こう解説する。
「政府は、戦時中にアジア各国で多くの女性が慰安婦となり、名誉と尊厳を傷つけられたことに対し、おわびと反省を繰り返し表明している。韓国とは政府間の合意に基づき10億円を拠出するなど、問題に真摯に向き合ってきた」
韓国の文在寅大統領は「おわびと反省」の日本の対応を弱腰だと判断したのか、逆手に取るように反日感情を煽ってきた。歪んだ文在寅氏の外交は慰安婦問題ばかりか、徴用工問題にも火をつけた。
沙鴎一歩はそんな文在寅氏に対し、日本に謝罪し、来年5月の任期満了を待たずに大統領の職を辞すべきだと主張してきた。その思いはまったく変わらない。いや変わらないどころか、日増しに増すばかりである。